慢性胃炎の症状
慢性胃炎は、胃の粘膜がなんらからの原因で傷つき、炎症を起こしている状態が持続的に繰り返される病気です。
昔は、慢性胃炎とは長年にわたる刺激によって胃粘膜に生じた変化で、その大部分は病気ではなく年をとることによって変化してきたものだとされていました。
ですが最近ではピロリ菌によるものだという考えが一般的です。
症状としては、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、みぞおちの痛み、胸焼けなどの症状が、以下月以上にわたって連続的に繰り返される場合に慢性胃炎と診断されます。
しかし、慢性胃炎の場合、無症状という人も多くいますので、診療対象になるのは症状が出ている患者さんのみとなります。
慢性胃炎を検査する際は、バリウム造影検査、内視鏡検査などが用いられます。
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慢性胃炎の原因
急性胃炎のページでも説明しましたが、胃というのは、食べ物を消化するために、胃酸によって絶えず刺激を受けています。精神的に強いストレスがあったり、アルコールの飲みすぎ、暴飲暴食などで胃酸の分泌過多になり、胃壁を守っている粘膜が胃液によって消化され、炎症してびらんを起こしてしまうことが慢性胃炎を発症させる原因です。
軽度のびらんの場合は原因となったストレス等がなくなると時間とともに経過が良くなっていきますが、重度の胃炎の場合は胃壁が萎縮してしまい、症状が慢性化してしまいます。
最近では、慢性胃炎の原因として、ストレスや暴飲暴食などの他に、ピロリ菌との関係が明らかになってきました。ピロリ菌は現在わかっているところでは、胃の中にすむことが出来る唯一の細菌です。
通常の細菌は、胃酸によって死んでしまいますが、このピロリ菌は酸を中和するせいしつをもっているため、胃の中でも活動できるのです。ですが、現在のところ、なぜこのピロリ菌が慢性胃炎の炎症をおこしているかは、原因がまだはっきりとしていません。
慢性胃炎の治療
何も症状の無い場合は特別に治療をする必要はありません。患者さんに自覚症状がある場合は、症状に応じて、ピロリ菌対策や胃の粘膜保護薬などの薬を用います。
しかし、薬よりももっと大事なことは、急性胃炎の治療と同じく、規則正しい日常生活です。十分な睡眠、暴飲暴食を避ける、お酒、タバコをやめる、バランスの良い食事をすることが大切です。
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