気胸の治療
気胸は肺内の空気が漏れだして肺が縮み、十分に膨らむことができなくなる状態です。突然の胸痛や呼吸困難におそわれます。
気胸の治療は肺の縮み具合の度合いに応じて対処します。縮み度が肺全体の25パーセント以下で、進行性でないならば安静のみでまずは様子をみます。
肺が縮むと破れた部分がくっついて、自然治癒が期待できます。とくに虚脱度合が10パーセント以下なら、ふつうは1〜2週間で自然にくっついて治ります。
針で胸の空気を抜くという治療方法もあります。もれ出した空気を抜くと肺は当然膨らみますが、それにより肺がしぼんで閉じていた穴が再開通する可能性があるので、軽症ならむしろ放置していたほうがよいでしょう。
気胸の程度が中症や重症のときは、胸に細いチューブを入れて、チューブの反対側を箱に取り付けます。この箱は、あふれ出た空気を外に出しますが、外から空気が逆流しない仕組みになっています。チューブを入れたままにしておき、空気があふれなくなったらチューブを抜く治療法です。
また、テトラサイクリン系の抗菌薬を使って胸腔内に炎症をおこすことで、肺と胸壁を癒着させて空気の漏れを防ぐ胸膜癒着療法という治療法は、単純な自然気胸での効果は明らかになっていません。
そこで、この治療は自然気胸については行わず、ほかの原因による気胸に対して行うべきでしょう。
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気胸の手術
気胸の問題は、再発することです。再発を繰り返す場合、または、若年者で再発を避けるためにはどうすればよいのでしょうか?その場合は手術を行います。手術の目的は原因であるブラを切除することです。
外科治療には胸腔鏡手術といって、穴を開けて行う手術と、胸を開く開胸手術あります。昔は胸腔鏡手術がなく、初回の患者さんでは手術をあまり考えませんでした。
手術を考えるのは、空気の漏れが何日も止まらないときや肺のしぼみ方の程度が強かったときなどでした。しかし、最近では胸腔鏡手術が発達したのもあり、手術をすることが昔に比べて多くなってきています。
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